「水木しげるサン お別れの会」へ行ってきた。

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昨年11月30日に魔界へと取材の旅に出た水木しげる先生のお別れ会があったので行ってきました。

昨年末からウェブサイトも開設され、準備も充分整っていましたね。

お別れの会トップページのキャプチャ画像
お別れの会トップページのキャプチャ画像

それにしても、この「お別れの会」だけのために独自ドメインを取ってしまうってのもかなりなもんだなア、とちょっと思ってしまったんですが。

会場は青山霊園に隣接する青山葬儀所。
雨か雪という当日の予報も覆し、凪いだ日となりました。
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ここはかつて手塚治虫先生のお別れ会も平成元年に催されています。
最近の漫画関連では、梶原一騎氏の実弟でもある『ワル』原作者・真樹日佐夫先生の会もここで行われ、自分も参列しました。

到着したのは17時頃。
陽もやや沈みかけてはいましたが、参列はまだまだ伸び続けていました。

門の横には案内が。
門の横には案内が。

並んでいる間、待合の場ではモニターで14時から行われたセレモニーの模様がおよそ10分ほどに抜粋されリピート上映されていました。
京極夏彦先生を司会進行にして、荒俣宏先生、さいとう・たかを先生、野沢雅子さん等がお別れの辞を述べられるシーンを見ることができました。

荒俣宏先生は、「水木先生には神通力があるんです」と衝撃の暴露。

あいかわらずの癒し系博物学者さまです
あいかわらずの癒し系博物学者さまです

水木先生自らの筆による来歴をご紹介の後、某寺に在る「これまで明治天皇しか触ったことのない、妖怪を呼び出す小槌」を寺の住職が目を離した隙を見てブンブン振り回したという微笑ましいエピソードも披露。「水木先生はいつでもフリーだったんですね」

荒俣先生の説に依れば、”水木先生がそのとき魔界への門を開いてしまった”とのこと。

さいとう・たかを先生は、貸本時代からの水木先生との交流を。「このひとは、きっと世に出ると思っていた」

うっかり背中から近づくといきなり撃たれそうなさいとう・たかを先生
うっかり背中から近づくといきなり撃たれそうなさいとう・たかを先生

野沢雅子さんのスピーチには「さすがは声優」ということもあり情感こもった語り口で思わずホロリとさせられました。「お別れとは思ってません」

弔辞を述べる野沢雅子さん
弔辞を述べる野沢雅子さん

祭壇へと続く通路には、水木先生のこれまでの生い立ちとご活躍の歴史をパネルで展示。

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現在から遡って生まれた瞬間へと続く動線。
祭壇の直前には、水木先生ゆかりの各地で記帳されたノートの数々。

1時間ほど並びようやく水木先生の正面に出ました。

人が絶えなかったので、正面からの画像は先程のモニター画面から拝借。
人が絶えなかったので、正面からの画像は先程のモニター画面から拝借。
祭壇全体はこんなかんじ。
祭壇全体はこんなかんじ。

よく見ると、水木先生のお顔の下には謎の三方が…

天皇…陛下?
天皇…陛下?

よくわからなかったのですが、天皇陛下よりご拝領賜ったのでしょうか…?
考えてみれば水木先生は出征して腕を失われているので、そういう意味からもあったのかもしれません。

どっかにこのことを言及しているサイトとか、あるのかなア。
知ってる方がいたら教えてください。

 

祭壇の脇には妖怪ポストが設置。これに投函すると水木先生に届くらしい。

妖しげにひっそりと設置されていた「妖怪ポスト」
妖しげにひっそりと設置されていた「妖怪ポスト」。ここはあの世とこの世とが繋がる狭間でした

会場のすぐ外には鬼太郎の(ほぼ)等身大と思われるフィギュアが。
記念撮影が可能で、皆一緒に撮りたい参列者が行列を作っていました。

ややピンボケでスミマセン
ややピンボケでスミマセン

妖怪ポストしかり、鬼太郎しかり…と、なんだかお別れ会というよりは、むしろテーマパークの趣きっぽくなってきました。
まあ、水木先生とのお別れに来たというより、多くはないものの、明らかにそんな”イベントに参加するのが目的”みたいな方も散見しましたから。
(正直ちょっとウザかったケド)
それはそれでいいんでしょうね。

 

この式典の模様はNHKはじめ各局のニュースとしても放送されました。

NHKニュースサイトより
NHKニュースサイトより

世間でも注目が高かったことがわかりますね。

祭壇を出たところに本日の弔問の方々のお名前がずらりと。
錚々たる名が連なっていました。

すべてはムリだったので、その一部だけ写してきましたので紹介。
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見切れちゃったけど、萩尾望都先生の上にあるのはネオンテトラ・手塚眞氏のものですね。

 

ちょうど祭壇への列に並んでいたとき荒俣宏先生と京極夏彦先生がお帰りのため脇を通り過ぎていったのですが、皆さんにご挨拶をするという丁寧っぷり。

中央に京極先生、左の妖怪に憑依されたようなのが荒俣先生 (単に暗くてシャッタースピードが遅くなりピンボケしただけです)
中央に京極先生、左の妖怪に憑依されたようなのが荒俣先生
(単に暗くてシャッタースピードが遅くなりピンボケしただけです)

それに接することができただけで、もう、和やかな式だったんだなアというのが伺えました。

 

外に出る頃には、辺りはすっかり宵闇に包まれてしまっていましたが、まだまだ人の並みは途切れることなく続いていました。

会場正面。こちらから見えるのは鬼太郎列。
会場正面。こちらから見えるのは鬼太郎列。

こうして、皆に見送られながら妖怪たちの棲む世界へと水木先生は行ってしまわれました。

道中ご無事をお祈りしております。

 

今頃は、きっと以前妖怪に奪われてしまった片腕を返してもらっているんじゃないかなあ。
(いや、それ手塚治虫のネタだ…)

 

けど、水木先生のことだから、きっとアチラの世界が楽しくて楽しくて、帰ることなんて忘れてしまうんでしょうね。

弔問記念のポストカード。
弔問記念のポストカード。

このカードに書かれた一言に、ちょっと我々も覚悟して道を進まなくちゃな、と思った。


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