手塚治虫と寺田ヒロオ～トキワ荘ゆかりの二人のモニュメント設置

豊島区椎名町といえば、昭和を代表する帝銀事件のあったところ…というのも正解ですが、ことマンガに関してかの「トキワ荘」が建ち手塚治虫を筆頭に日本の戦後マンガ文化が花開いた聖地。

現在はトキワ荘そのものも解体されてしまったものの、今も様々な当時の名残りを見つけることができます。

実はトキワ荘の在処はよく知られている「豊島区椎名町」ではなく、現在の南長崎3丁目にあたり、場所としては西武池袋線椎名町駅よりも同じ西武線東長崎駅のほうが距離的には近いと思われます。
とはいうものの、今のところどっちかっていえば東長崎駅よりも椎名町駅のほうが「トキワ荘」のイメージを普及させるのに熱心なようで、数年前から椎名町駅の発車メロディが藤子不二雄A氏原作のTVアニメ『怪物くん』の主題歌になってます。
それに比べてこれまで東長崎駅はあまり熱心でなかったのか、特に何も関連づけるようなモノはやってきませんでした。
というのが地元民としての印象。

※蛇足だけど、藤子不二雄をお隣り椎名町駅に獲られちゃったので、今後東長崎駅が発車メロディを変える案が出てきたとき、誰のを採用すればいいんでしょ。手塚は『鉄腕アトム』が既にJR高田馬場で使われてるし…。赤塚不二夫で『天才バカボン』??
…あ、なんかそれいいかも。
(でも赤塚なら落合かな。そしたら下落合あたりにバカボンパパのブロンズ像でも建てて欲しい)

そんな、これまであまり自己主張しなかった西武池袋線東長崎駅にも、ようやくマンガの聖地として、手塚治虫『ジャングル大帝』のモニュメントが設置されました。

先日(4/16)、このモニュメントのお披露目会が催されました。

※豊島区のサイトより

※豊島区のサイトより
モニュメントお披露目会の様子は豊島区のこちらのページにて。

このイベントそのものには行きそびれてしまったものの、筆者は南長崎在住。いつでも見れることだし、買い物ついでにこのレオとライヤに会ってくることにしました。

ということで行ってきたtwitter報告がこれ。

西武池袋線東長崎駅にできたジャングル大帝のモニュメント。雨風しのげる場所にあるせいか着色もされててけっこういい出来。ケモナーにも満足度高いんじゃないだろうか。 pic.twitter.com/nvxr6ghWv3

— 浦嶋嶺至@充電率84% (@urashima41) 2016年4月18日

で、改めてもうちょっと大きい画像を。

大泉学園駅前のペデストリアンデッキには東映動画の様々なキャラの銅像が並んでたり、新宿線上井草駅にガンダムのブロンズが建ってたりと、この西武沿線界隈もようやく街おこしとしてマンガを題材にしてきているけれど、このトキワ荘の足元ともいえる東長崎にもようやっとその波がやってきた感じで、住民としては面映ゆいかぎり。
一応、半世紀近くこの地に在住してる者として本音を言ってしまえば、トキワ荘が解体された35年前、区が文化遺産として保存しようとがんばってくれればよかったのになア、と思ってるんだけど。

ま、そんなことを今更愚痴っても詮無いですけどね。

さて、同日には同じくトキワ荘に住んだ漫画家の中でも重要なキーマンだった、寺田ヒロオ氏のモニュメントもお披露目されました。
こちらは大江戸線落合南長崎駅の上にある「南長崎スポーツ公園」の一角に設置。
スポーツ漫画を多く手がけた寺田ヒロオにふさわしいと思ったのか、題材も『背番号0』という代表作。

むむむ…。
い、板1枚…?

モニュメントです。そう説明されてます。 — モニュメントです。そう告知されてます。

…あまり言いたくないけれど、
なんか、扱いに差があり過ぎのような…

そりゃ手塚は日本人なら知らぬ者のないほどの大巨星。
対して寺田は、ブームと共に変貌していく少年漫画に疑問を持って途中でフェードアウトしていった作家。
でも、トキワ荘グループの隆盛は、寺田ヒロオの貢献が大きいと思うんですよね。
手塚治虫に憧れた漫画少年たちをトキワ荘へ斡旋し、彼らを束ねる兄貴分だったのが寺田ヒロオ。それは藤子不二雄『まんが道』や市川準の映画『トキワ荘の青春』などでもよく言及されていることでもあるので。

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