フレデリック・フォーサイスのスパイ告白のなにを今さら!? 感
フレデリック・フォーサイスといえば『ジャッカルの日』や『戦争の犬たち』など映画化もされた作品も多くある小説家ですが、
そのフォーサイス氏がこのたび自伝を出版、その中で”20年以上にわたりスパイ活動に協力していた”という内容を告白して話題になってるそうです。
■人気作家、スパイ活動の過去告白=東独や南アで極秘任務-英 -時事ドットコム
【ロンドン時事】スパイ小説で人気の英作家フレデリック・フォーサイス氏が、20年以上にわたり英対外情報部(MI6)のために働いていたと、近く発売される自伝「ジ・アウトサイダー」で明らかにする。30日付の英日曜紙サンデー・タイムズが抜粋を報じた。
※映画で「ジャッカル」が使用する、当時の小学生がションベンちびるほど欲しがりそうな暗殺のひみつ道具。
■画像参照元:ハイパー道楽「ジャッカルの日」カスタム狙撃ライフル
ええっとぉ……
いやいやあンた、今回の告白なんかを凌ぐもっとスゴいことやってきてるでしょ。
件(くだん)のフォーサイス氏、『ジャッカルの日』で得た印税を投入してゲリラ部隊を支援、アフリカは赤道ギニア共和国にクーデターを起こそうと画策した、というのは有名な話。
(あくまで本人は否定。)
この1件をベースに『戦争の犬たち』を執筆した、らしい。
『ジャッカルの日』にしても、日本赤軍のハーグ事件にも関係した、“カルロス”と呼ばれたチョー有名なテロリストが自らの愛称に題名を基にした「ジャッカル」を好むなど、因縁浅からぬ関係。
んー、そんな黒い噂が40年以上も昔からまことしやかに騒がれている人が「私はMI6に協力していた」なんてぇコトを告白しても、
ふーん。そうなの。
でしかなかったりするんですが…
まあ、ともかく本人の口からそういったことを認める発言があったことが、ひとつ謎だったものに白黒つける道標になるのかもしれません。
口を閉ざしたまま墓場まで持っていかれると、また後々の研究や裏取りに時間もかかりますから。
妄想と現実の間を飛び越えて行動する作家という部類では、フォーサイスは自衛隊駐屯地に押し入り決起を呼びかけ割腹自殺を遂げた三島由紀夫と双璧かもしれません。
で、ファンがいちばん知りたいそのギニアクーデター支援の話のほうは、どうだったのかなあ…?
同じ「スパイの過去を告白」でも、こっちのほうはどうにも眉唾にしかみえませんけどね。
■ユリ・ゲラー「自分はスパイ」、“念力”によるソ連への妨害活動など告白。-ナリナリドットコム
ところで自分は学生時代からフォーサイス氏の小説に興味はあって「いつか読みたいなあ」と思い続けていたもののその機会がなく今に至っているのだけれど、今回のことで調べてみたら氏の著書はことごとく絶版の憂き目に遭ってしまっているらしい。
再販して手軽に入手できるようにしてくれないかなァ…版元の角川書店さん!!
ちなみにこちらはフォーサイスの小説とは一切無関係の邦画。
映画に革命を起こそうとした狂気に塗れてる意味ではこっちに軍配。