マンガ図書館Zが狙うのは?~記者会見から見えるもの

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ということで、本日(8/3)、サイトリニューアルと共に『絶版マンガ図書館』=㈱Jコミが新体制に移行、株式会社Jコミックテラスとしてスタートし、サイトも『マンガ図書館Z』に名称変更しました。
それに伴い同社は会社設立記者会見を開催。その模様はUSTREAMにてネット生中継され、広く告知が行われました。

その中継の模様をざっとですがリポートします。

(※以下、画像はすべて会見中継からのキャプチャ画像です)

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『マンガ図書館Z』のしくみ。これは『Jコミ』時代から基本的には変わっていません。
作家(著作権者)が作品を『マンガ図書館Z』(以下『Z』)にアップ、それを『Z』上に広告付きで公開され、作家はその収益を受け取る、というもの。

作品の閲覧による広告収益は100%作家に支払われるようになっています。
このシステムが『Z』の最大のキモでもあります。

『絶版マンガ図書館』の時代も無料閲覧が基本でしたが、そのためにはメンバー登録が必要でした。
『Z』はその会員制を取り払い、サイトを訪問すれば誰でも完全に自由に各作品が閲覧できるようになります。
また、これは旧サイトの時から行っていましたが、『Z』では欲しい作品の購入ができ、PDF形式で配布されます。
他の電子書籍サイトと違い、たとえば今後『Z』が会社ごと失くなっても、購入した作品は手元に残る、というシステムです。

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ただ、その場合無断アップロードの問題が出てくるので、この点についてはファイル中に”透かし”を挿入し購入者を特定することで、もしどこかで違法にアップロードされたとしてもその流出元を特定できる工夫がされています。
画像では隅に印字がある、という例を出していますが、「これ以外にもわからないように透かしを入れている」(赤松健取締役会長)とのこと。

私なぞは「絵の中のアミトーンのドットが隠し文字になってんのかな??」と、それを聞きながら思ってしまったんですが…
なんか『ブレードランナー』の世界ですね。(冗談ですが)

で、こういうことをなぜするのか、というと、赤松会長の野望は違法アップロードの撃滅にある!! と豪語。

赤松氏としては、とにかく海賊版を滅ぼしたいということです。で、合法な無料閲覧サイトを作ることで、そういった輩を撃滅していく、と…
熱く語る赤松会長でした。

 

また、今回のリニューアルで最大の目玉は、漫画作品中のフキダシの自動翻訳機能でしょう。

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『ラブひな』の広告配置と自動翻訳の例。下部広告は消去ボタンあり

なんと51ヶ国語にも対応しているそうです。
(おそらくgoogleの翻訳機能を使用していると思うんですが。
余談だけどむかーしgoogle翻訳には『クリンゴン語』も入ってたんですけど…それで訳してみたいなあ)

赤松会長も、ここは自慢のシステムだったようで、この項の説明ではいちばん口が回り、ハイテンションではしゃぎまくっていました(笑)

とにかくリアルタイムでフキダシを自動認識し、セリフをガンガン翻訳してくれるというすごい機能で、壇上でそれを実演していました。

八神健先生の作品で実演。
ビュワー上で八神健先生の作品を使い実演。ホントに驚くほどの速度でサクサク翻訳してました

説明によれば、閉じた図形内の文字を自動で抽出し翻訳をするとのこと。
なので、閉じていないフキダシや、地の絵に被ったナレーションなどは拾えないのだとか。

「だから少女マンガは不得意です」(赤松会長)とのこと。

もちろん書き文字も×なので、このあたりは今後の課題かもしれませんね。

j5また、『Z』へのリニューアルに伴い、有料会員の特典が変更。

それと共にこれまで会員登録すれば無料閲覧できた成年系コミック(R18)が、すべて有料会員のみの閲覧に制限されることになりました。
ただし、代わりに成年系の広告はなくなることになります。
つまり、会員制が有料のみになるので、左の図はそのメリットの説明。

 

 

R18の扱いについては前項で軽く書きましたが、そうなるとアダルト系の広告収益が見込めなくなるんじゃないのかなあ? と心配になりました。
自分もこちらのR18で作品を公開させていただいてますから、果たして翌月から受け取る広告料がどう増減していくのか、ちょっと見守りたいですね。

jでんぱ組なるせえいみ

記者会見の終盤、ゲストとしてでんぱ組.incの成瀬瑛美さんが登場し赤松会長とミニトーク。
実は芸名の由来が赤松先生の『ラブひな』成瀬川からだという衝撃の告白も。

 

最後は各漫画家先生からのメッセージを紹介。

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全員が登壇しご挨拶の上終了。
最後は全員が登壇しご挨拶の上終了。

こんな感じで、ほぼ1時間程度で記者会見は終了しました。

赤松健先生は週刊連載を抱えながらこの『Z』を運営する、というハードスケジュールの中、ほんとうにいろいろと動いていて脱帽します。

その上現在はTPPやら表現規制やらでも行動されているわけで。

 

 

 

今回の新会社設立は、次第に膨れ上がった『Jコミ』の事務作業を委ね、赤松氏の負担を少しでも軽くするという意図もあるそうです。
…とはいっても、そもそもこれまでほとんどのことを赤松先生ご自身が担ってきているのは、ほぼ無謀ともいえることだったし、今後も作家/著作権者との折衝は引き続き赤松先生ご本人が行う、とステージでは言っておられたので、あまり変わらないような気も…

自作を公開していただいていますし、せっかくこういうサイトを立ち上げたんですから、私も何かお手伝いできることがあれば、積極的に協力したいと思っています。

 

 

…とはいえ現状ではこちらのほうが大いに助けられているのが実情なんですけどね。

 

リンク[マンガ図書館Z]

 

 

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