五輪を観に行くならこれで現地の予習しとけ!! リオは史上最もエクストリームな開催地~『シティ・オブ・ゴッド』
ブラジル・リオデジャネイロで開催されるオリンピック/パラリンピックが目前に迫ってきたが、安全に関しての不安が日々取り沙汰されている。
もちろん昨今の不穏な世界情勢に伴うテロへの警戒は云うまでもないが、それ以上にリオデジャネイロという街は日々の治安じたいに不安が多い、と言われている。
つい先日も、警察官らが旅行者などへの安全が確保できないという理由で未払い賃金の支払いを求めデモを行うという報道が目を引いた。
【7月5日 AFP】五輪開幕まで約1か月となったブラジル・リオデジャネイロ(Rio de Janeiro)の空港で4日、警察官らが「地獄へようこそ」と書かれた横断幕を掲げ、給与未払いの現状に抗議した。殉職した警察官に見立てたマネキンも置かれ、動揺する観光客の姿も見られた。
抗議デモが行われたのは、8月5日に開幕する五輪に向け、観光客約50万人の主な玄関口となるアントニオ・カルロス・ジョビン国際空港(Carlos Jobim International Airport、ガレオン国際空港)。デモには、警察官や消防士ら100人以上が参加した。
職員らが掲げた横断幕には、「地獄へようこそ。警察と消防士には給料が支払われていない。リオデジャネイロに来る人は誰も安全ではない」と書かれていた。
今年に入り、リオデジャネイロでは殉職した警察官が50人を超えている。床に並べられた制服姿のマネキンは、これらの殉職者を象徴するものだ。
抗議に参加したベテラン警察官のネトさん(56)は、「市民や外国人観光客にブラジルの現実を知ってもらうためにここにいる」と語った。
リオデジャネイロ州の財政難を背景に、リオの警察官らは先週から始まった抗議デモを通じて、給与が何か月も十分に支払われていない現状を訴えている。
この街では、日常的に犯罪が発生している。
犯罪そのものが日常の風景なのだ。
そんなリオデシャネイロを舞台にした『シティ・オブ・ゴッド』という映画がある。
ファベーラ(リオデジャネイロの貧民窟=スラム街)と呼ばれる地域の、ある意味”日常”を切り取った、まことにエクストリームな作品。
これを観ると、リオという街がいかにこの地球上でデンジャラスなエリアなのかということがわがってとぉってもタメになるぞ、という必見の映画。
10年以上前のサイトのためか、flashで動いてたり予告編のリンクが切れてたり別ウィンドゥで開くnewsのページが文字化けしちゃったりとちょっと使いづらいのだけれど、こちらのサイトの”STORY”を読んでみてほしい。
下のキャプチャは冒頭部だけ。サイトをひらくいて右下”ENTER”をクリックのこと。
ちなみに(これもオフィシャルが公開したものではないが)予告編はこれ。
以下、Youtubeの予告編キャプチャから。
貧しいスラムの街並み。
白昼の市街地でも銃撃戦は日常
銃を構えて集合写真
敵対するグループ(組)の連中は――
たとえ丸腰でも容赦なくブチ込む。
幼児であっても銃の扱いと人の殺し方はマストスキル。
リオといえば「カーニバル」と思い浮かぶくらい、明るく陽気なイメージがあるが…
こんな世界がべっとりと街の裏側には貼り付いている。
もちろんどんな世界の街でも表があれば裏がある。
しかしブラジル・リオは日本で考えているのとは想像もできないくらい危険と背中合わせの地域なのだということも肝に銘じておくべきだろう。
5年後、同作の監督フェルナンド・メイレレスが製作を担った姉妹作ともいえる『シティ・オブ・メン』も公開されている。
こちらもオススメ。
と、いうことで、リオにもし行くならぜひこの2作を観て予習していくべきと強くお薦めします。
予告編でも見てのとおり、往々にしてファベーラに建つ建物はパステルカラーで彩られ、遠くから眺めるだけならいかにも楽園風情を醸し出している。だが、そんなあまっちょろい場所なんかじゃないってことは、映画でも云うように、また警官たちのデモでも判るとおり。
くれぐれも「街並がカラフルで綺麗」だからと思ってファベーラに足を踏み入れたりすることのないように…
命が惜しくなければ別だけど、ね。
まあ、五輪だのそんなことに興味がなくても、ともかくすげー映画なんで観てくれ。
B21 地球の歩き方 ブラジル ベネズエラ 2016~2017