戦後70年目。玉音放送音源公開の意味を考えてみた。…ん?
(画像は宮内庁ホームページから)
戦後70年目を前に、宮内庁が玉音放送の原盤音源を公開した。
これまで我々が耳にしてきた音源はコピーされた素材で、今回は終戦前日の昭和20年8月14日に録音されたレコードの原盤そのものから復元されたものだという。
各報道するところによると、これまで我々が耳にしていたものよりも音質も良く、また若干音程が高い、という。
実際の音声データは宮内庁のサイトでも既に公開しており、実際に試聴することができる。
ふと思うのは、「70年」という時間を経た後の今、なぜ公開に至ったのか、ということ。
そこであることに思い至った。
「70年」という時間のスパン。
70年。
これは、今50年から70年に引き延ばされつつある著作権保護期間と一致する。
つまりそれに則れば、放送した日時の1945年8月15日からちょうど70年目をもって著作権が消滅する、ということになる。
もちろんこれを録音したのは昭和天皇。
昭和天皇は崩御されてまだ26年しか経っていないので、もし個人に著作権があるのならまだ有効。
けれど、この録音は当時の宮内省によって為されたものであり、その経緯を考えてみると、
・レコードによって録音されたもの
・放送(公開)されたもの
であり、
著作権は昭和天皇個人ではなく当時の宮内省=宮内庁に存在していたと見做されるのではないか。
そうなると、この放送音源の著作権は、映画や音楽等と同じく公開年度から発生すると考えると…
ちょうど今年、2015年8月15日をもってその保護期間が終了、宮内庁の著作権が消滅することになるのです。
と、いうことは…
この玉音放送は、この8月15日正午をもって著作権フリーのパブリックドメインとなるのではないか…!?
ひょっとして、宮内庁はそれを見越して、これまで流通していたものより状態の良い音源を提供するに至ったのではないか?
ちょっと、そんな妄想も抱いてしまう件(くだん)のニュース。
てぇことは、
これからは、この玉音放送を使用してサンプリングとか使い放題なのか!?
うわ、それちょっと聴いてみたいぞ!
そりゃこれまではどことなく不敬かなーとかそういう漠然とした雰囲気が理由でアンタッチャブルな素材だったと思うんですが、
今回は宮内庁がわざわざ元の音源をリリース。しかもリマスターまでしての公開、という、
ほぼ確信犯ぢゃないっすか。
もう、「ぜひどうぞどうぞ」と言ってるとしか思えない厚いおもてなしだと思うんですが。
だってもはやシブがき隊の本木クンが陛下を演じてもお咎めのない時代ですよ。
これまでは昭和史を彩った歴史的事件の映像化に関しては、どこか畏れ多さが遠慮を産んで今上天皇や皇太子を演じたらシルエットになるとか背中だけとか手だけのアップとかになるしかなかったのに。
どっかやってくんねえかなぁ…
そんなわけで2015年8月15日以後のテクノ&ヒップホップを中心とした音楽シーンに注目したいと思います。
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