JR東日本『JR SKISKI』のコピーが予言すぎる
時として、文章や絵画によって記されたものが、後に現実となって現れることがあります。
有名なものとしてはかのタイタニック号の沈没が事件以前に出版された小説によって”予言”されており、その余りの詳細の一致に戦慄を覚えたり、またエドガー・アラン・ポーの『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』という小説に関して、「船が遭難し漂流することになった4人が極限的な飢えを凌ぐため籤引きで決めた1人を喰う」という内容だったところ、ポーが小説を記してから46年後にまったく同じシチュエーションの難破事件が起き、同じ状況に陥った末食べられる役に回ってしまった犠牲者の名が小説と同じ「リチャード・パーカー」というポーの恐怖小説をも凌駕する恐るべき偶然が黄泉の世界から呼ぶ声のように現出していきます。
これについて、誰も説明ができません。
予兆や予言、虫の知らせ。シンクロニシティ。
厳密に云えばこれはユングの「共時性」とは意を異にするものとは思うんですが、多少の誤解をもって「シンクロニシティ」という単語で多くは認知されているようです。
「共時性」を唱えたユングに依れば、この事象は時空を超越した集合的無意識の領域から滲み出て現実化したものが事件の起きる前に形を成す、と考えられます。
とすれば、ユングの唱えるファンタズムとか集合的無意識ってのは、仏教観における「阿頼耶識(アラヤシキ)」にも類似するもののような気もしますが…ここでは蛇足なので割愛するとして、ともかくこうした超常的現象は時として我々の眼前に現れ、理解を超えた恐怖を見せつけます。
■これは予言の書?作り話が現実になった5つの小説-NAVERまとめ
もっとも、件のタイタニック号を予言したと云われている小説『FUTILITY』に関しては、初版は沈没事件の14年前に出版されていたものの、事件直後に再版された折には大幅な改変が施されタイタニック号との“偶然の一致”がかなり増えていたと云われているようです。
[参考リンク]
ま、ありていに云えば捏造ですね。
そんな眉唾ネタはともかく、この”偶然の一致”が、21世紀のJR東日本で連続して起きてしまっています。
皆さんご存知の「JR SKISKI」キャンペーン。
一昨年、2013-14年のスノーシーズンのものですが、これが当時の異常気象と重なりかなり話題になりました。
■「全部雪のせいだ」ツイートが吹き荒れすぎてて面白い!-NAVERまとめ
この「ぜんぶ雪のせいだ」
は名コピーとともに”迷コピー”となったのは記憶に新しいところ。
別バージョンも沢山あり駅を使うたび楽しませてくれました。
で。
翻って2015-16年の今シーズン。
またまたやってくれました、JR東日本。
燦然と掲げられた“そこに雪はあるか。”のコピー。
このコピーの兆しに呼応するかのように、この冬はのっけからの記録的な雪不足となりウィンタースポーツに甚大な打撃を与えています。
■雪不足でスキー場困った 6年ぶり暖冬予報、開業遅れも-朝日新聞Digital
■雪不足 ゲレンデ苦戦 今週の連休 巻き返し期待-信濃毎日新聞
古(いにしえ)より”言の葉”には言霊が宿り、パワーを持つとも云われています。
迂闊に言葉を形にすると、そのパワーがあらぬ方向に発現してしまうのかもしれません。
あのタイタニック号の悲劇やポーの小説も、事件を予知したのではなく、言葉にしてしまったことで言霊にパワーが宿り、現実世界に形を成していったのかもしれませんね。
このJR SKISKIのコピーもまた、予知よりも言霊による現実化と捉えられるのかもしれません。
まさに「口は災のもと」。
昔の人はよく言ったものです。
言霊の放つ恐ろしさを知っていたのかも…!?
※ちなみに紙でできているポスターなどは神社などの御札と同じ材質のため掲げることで効力を持ち、このように壁に貼ると霊力が強く発揮されるそうです。
ゆめゆめ注意。